トレーニングコース受講にあたり、スキルにあったコースや事前に予習すべき内容の確認ができます。
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トレーニングでは、CentOS (バージョンは 6 系) という Linux を使用してデータベースの操作や設定変更を行うため、ある程度の Linux の知識が必要になります。
そのため、トレーニング受講にあたり、必要最低限の Linux 関連の知識を記載します。
(LPIC-1 合格相当のスキルをお持ちでしたら全く問題ありません。)
下記内容の詳細については、Linux の参考書などをご覧ください。Linux 標準教科書という無料でダウンロードできるものもございます。
なお、Linux についてあらかじめ予習を行ないたい場合は、CentOS についてはダウンロードして無償で利用できます。
Linux をインストールするサーバは用意するのが難しければ、仮想化ソフトウェアを利用しますとWindows上でもLinux環境の用意ができます。
Linux は複数の人が同時に1台のマシンを利用することを想定しているため、通常複数のアカウントを作成して利用します。
また、Linux 上でプログラムを実行してプロセスを生成することも、ユーザの役割です。
トレーニング環境では下記の 2 つのアカウントが作成された状態となっており、実習を通して、もうひとつアカウントを作成します。
Linuxで使われている用語について紹介します。
ディレクトリ
Windowsで “フォルダ” と呼ばれているものです。
ディレクトリ内には、ファイルの他にディレクトリを含むことができ、すべてのファイルやディレクトリは、ルート (/) と呼ばれる最上位のディレクトリの下にツリー状に配置されています。
カレントディレクトリ
ユーザが現在作業を行っているディレクトリで、相対パスの基準となります。
絶対パス/相対パス
ディレクトリパス(所在)を指定する際の表記法です。
例えば、カレントディレクトリが “/home/sraoss” の時、相対パス “downloads/postgresql” の絶対パスは “/home/sraoss/downloads/postgresql” となります。
Linux ではコマンドでの操作が基本となります。
トレーニング受講にあたり必要最低限のコマンド操作を紹介します。
なお、コマンド名やディレクトリパスの入力は「Tab」キーを使うと入力が補完されて便利です。
su – ユーザ名
作業ユーザを指定したユーザに切り替えます。
ハイフン (-) をつけないと、環境変数などの操作環境が切り替わりません。
ユーザ名を指定しない場合 root ユーザに切り替えます。
cd パス
相対パスまたは絶対パスで指定したディレクトリへ移動します。
パスを省略するとユーザのホームディレクトリへ移動します。
ls パス
相対パスまたは絶対パスで指定したディレクトリの情報を表示します。
カレントディレクトリ内のファイルとディレクトリを表示します。
pwd
カレントディレクトリパスを表示します。
cat ファイル名
指定したファイルの内容を出力します。
環境変数とは、コマンドやアプリケーション実行時に参照される変数です。
トレーニング中に利用する環境変数は以下の通りです。
PGDATA
データベースクラスタ(データの物理的な格納領域)を指定します。
initdb コマンド、pg_ctl コマンドなど PostgreSQL には、コマンド実行時に -D オプションでデータベースクラスタのパスを指定する必要があるコマンドがあります。
環境変数 PGDATA が設定されていると -D オプションが省略できるため、トレーニング環境では環境変数 PGDATA に “/usr/local/pgsql/data” が設定されています。
PATH
コマンド実行時、入力されたコマンドの実行ファイルは、環境変数 “PATH” に指定されたディレクトリを探して見つけます。
そのため、PostgreSQL のコマンドにも PATH を通す必要があり、トレーニング環境では PostgreSQL のインストール先である “/usr/local/pgsql/bin” に PATH が通してあります。
以上で「導入トレーニング Linux 予習編」は終了です。
Linux をあまり操作したことがない方でも上記を把握していれば、実習や演習の実施ができ、トレーニング内容の理解が深まります。
また、PostgreSQL を操作できる環境を用意しておきたい方は、「PostgreSQL 自習環境構築編」をご覧ください。
運用管理トレーニングやクラスタ構築トレーニングでは、pg_ctl, psql などの基本的なコマンドをトレーニング中に何度か利用しますので、コマンドの基本的な使い方を理解しておいていただいた方が理解度が高まります。
pg_ctl は PostgreSQL サーバの起動/停止/再起動を行うコマンドです。
-D オプションにて起動するデータベースクラスタのパスを絶対パスまたは相対パスで指定する必要があります。
-w オプションを付けると PostgreSQL サーバが起動するのを待ってから応答が返ります。
トレーニング環境では、環境変数 PGDATA に “/usr/local/pgsql/data” が設定されているため -D オプションを省略して実行しますが、実習や演習などで、”/usr/local/pgsql/data” とは別のデータベースクラスタも利用するため、その際は -D オプションの利用が必要です。
PostgreSQL 日本語マニュアル: pg_ctl コマンド
psql, pg_dump, pg_restore, createdb, dropdb など PostgreSQL では様々なコマンドがありますが、1 部を除くほとんどのコマンドで共通して利用できるオプションについて記載します。
-U ロール名 (環境変数 PGUSER)
PostgreSQL サーバに接続するは、必ず接続ロールを指定する必要があり、-U オプションまたは環境変数で指定します。
いづれの指定もない場合は、コマンドを実行した OS ユーザ名と同じ名前が指定されます。
-h ホスト名 (環境変数 PGHOST)
PostgreSQL のコマンドはデフォルトでは、自ホストの PostgreSQL サーバへの接続を試みます。
別ホストで PostgreSQL サーバを稼働してい場合は、ホスト指定が必要です。
-p ポート番号 (環境変数 PGPORT)
PostgreSQL サーバはデフォルトで 5432 ポートを利用するため、各コマンドもデフォルトで 5432 ポートへ接続します。
ただし、トレーニングでは、同一サーバ内で複数のデータベースクラスタを起動する機会があり、この場合は異なるポートで PostgreSQL サーバを稼働させるため -p によるポート指定が必要です。
PostgreSQL サーバにコマンドラインで接続するためには、psql コマンドを使います。
psql [データベース名] [ロール名]
psql コマンド実行には接続先のデータベースと、接続するロール(データベースユーザ)を指定する必要があり、省略した場合は、データベース名、ロール名には OS にログインしているアカウント名が指定されます。
psql -l [データベース名] [ロール名]
-l オプションはデータベースクラスタに登録されているデータベースの一覧を出力します。
psql -f ファイル名 [データベース名] [ロール名]
-f オプションはファイルに記述された SQL を実行します。トレーニング中何度か利用します。
PostgreSQL 日本語マニュアル: psql コマンド
以上で「PostgreSQL コマンド基本操作編」は終了です。
PostgreSQL をあまり操作したことがない方でも上記を把握していれば、トレーニング中の実習や演習をスムーズに行うことができます。
また、PostgreSQL を操作できる環境を用意しておきたい方は、「PostgreSQL 自習環境構築編」をご覧ください。
トレーニング受講前に、手元にトレーニングと同じような環境を用意したい場合、Linux マシンをご用意いただき、PostgreSQL をインストールする必要がありますが、Windows 上でもっと手軽に PostgreSQL を操作できる環境を用意したい場合は、以下の方法で行えます。
Windows 用のインストーラは EnterpriseDB 社によりメンテナンスされ、Download PostgreSQL ページからダウンロードできます。
詳しいインストール方法などは、Let”s Postgresのページを参考にしてください。
PowerGres は導入しやすいように工夫された、PostgreSQL 完全互換のデータベース製品です。
60日という制限はありますが、Windows 上で試しに PostgreSQL を動かしてみたい場合には適しています。
詳しい手順はPowerGres 体験記 -PowerGres V9.1 を使ってみよう- をご覧ください。
※ DRBD は LINBIT Information Technologies GmbH の登録商標です。
03-5979-2701 |