SRA OSS, Inc. 日本支社は 7 月 8 日、9 日にカナダ – トロントで開催された「PostgreSQL Anniversary Summit」に参加してきました。
この PostgreSQL の開発が始まってから 10 周年の記念イベントには、15 ヶ国以上、20 社以上から 100 名近くの参加者が集まり、PostgreSQL の盛況ぶりを実感することができました。
サミットはトロントのダウンタウンにある大学構内の教室を借りて行われました。
初日、会場に到着すると、まず記念品の T シャツとバックパックを受け取ります。
バックパックの中にはセミナーのスケジュールとスポンサー各社のパンフレットが入っていました。
スポンサーでもある弊社からは、PostgreSQL CE 8 Silver 英語版 が 9 月にリリースされることもあり、そのパンフレットを入れてもらいました。
サミットは PostgreSQL コアメンバの 1 人で、以前は SRA OSS の専属コンサルタントであった Bruce Momjian 氏の PostgreSQL の歴史と現状についての講演で幕を開けました。
おもしろいことに今回の開催地であるトロントは、10 年前に PostgreSQL プロジェクトが発生した「原点」でもあり、当初のサーバも開催地からほんの数ブロック先に設置されていたようです。
サミットは 2 つの教室で同時にセミナーが開催され、スケジュールを見ながらどちらかを選ぶというものです。
さすがにコアメンバが多く集まるサミットだけに、同時にどちらも参加したいセミナーが重なってしまうことが何回もあるほど内容は濃く素晴らしいものでした。
弊社からは支社長石井を含め 3 人が参加したので、重ならないようにスケジュールを組み、後で情報交換をするという方法をとりました。
PostgreSQL のコア部分のセミナーはもちろんですが、今回のサミットで多く見られたのがデータベースレプリケーションとクラスタリングに関してのセミナーでした。
代表的なものには Slony-I、Postgers-R、PGCluster などがあります。
弊社も石井が開発した PostgreSQL 用コネクションプールサーバ「pgpool」と、その後継プロジェクトで、情報処理推進機構 (IPA) の支援のもとに現在弊社で開発が行われている「pgpool-II」の講演とデモを行い、コアメンバも含め多くの方が参加してくださいました。
セミナー資料のページから講演で使用したスライドがダウンロードできます。
pgpool はクライアントと PostgreSQL サーバ間の接続をキャッシュし、再接続時の負荷を軽減することを目的として開発され、バージョンアップを繰り返すごとにレプリケーション機能、フェイルオーバ機能、ロードバランス機能などが追加されています。
pgpool-II は pgpool の機能に加えて複数の DB ノードを使った並列処理機能が新たに実装されています。
pgpool-II の詳細についてはpgpool-IIのページ をご覧ください。
また、サミットの前日ですが、オンタリオ湖でのディナークルーズにも参加。 ここでは参加者全員が食事を楽しみながら、PostgreSQL の話に花を咲かせていました。
世界中に開発者存在するオープンソースプロジェクトなので、長年インターネット上で知り合っていても、実際に顔を合わせるのは初めて、という方も大勢います。
今回のサミットはそういった意味でもとても意義深いものであったと思います。
たった数名で始まった PostgreSQL も 10 年を経て、全世界で使われる最も有名なオープンソースデータベースの 1 つとなりました。
今後も PostgreSQL は進化を続け、また 10 年後には更に多くの参加者が集うサミットが行われることでしょう。
弊社も引き続き PostgreSQL を始め、多くのオープンソースソフトウェアに貢献し、躍進して参ります。
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