SRA OSS

導入事例 | 第一法規株式会社様

PostgreSQL + pgpool-II の導入により、判例などの大量データの横断検索性能を大幅向上

左から 出版編集局 出版支援部 田辺 康弘 様 出版支援部 萩原 晋也 様  出版支援部 内藤 杏里 様 編集第一部 村木 大介 様

第一法規株式会社は、法律関連の書籍販売や、オンラインデータ提供を行っている会社です。

今回、判例データを扱うシステムについて、 株式会社SRA、(当社 SRA OSS,Inc. 日本支社 のグループ会社) がシステム開発を行いました。 データベースとしては PostgreSQL を採用し、冗長化や性能向上のために pgpool-II を採用しました。

Q:
今回導入されたシステムの概要を教えて下さい。
村木:
当社の商品で、D1-Law.com というデータベース商品がございます。 お客様が法令や判例、法律文献などを検索できるサービスです。この中で、今回SRAに構築して頂いたのは、「D1-Law.com判例体系」というシステムになります。 これは、判例を体系的に整理し、データベース化したものを検索できるシステムです。

第一法規様「D1-Law.com判例体系」システム構成図

新システムのポイントは「更新頻度の向上と、検索性能の向上」

Q:
今回のシステム更改のポイントは、どのような点だったのでしょうか。
村木:

判例は、日々新しい情報が追加されていきます。 従来は加除式出版という方法で、紙で差分をお客様にお渡ししていました。それを10年ほどまえにオンラインで提供できるようにしていたのですが、いろいろと問題がありました。

その中でも特に大きな問題は2つです。1つは新しい判例の更新頻度、もう1つは検索性能です。

更新頻度については、従来は月に1~2回程度の頻度でしたが、これを毎日更新するようにしました。 これにより、昨日の判決が今日検索できる、ということを実現しました。

検索性能については、データ量が多くなっても従来よりも高速にし、お客様がストレスなく検索できるようにしました。

PostgreSQL+pgpool-II により、大幅に検索性能を向上

Q:
検索性能の向上については、どのような工夫をされたのでしょうか。
田辺:

そこは、SRAからの提案だったのですが、データベースの構成で大きく2つの工夫をしています。

データベースには、オープンソースの PostgreSQL を採用したのですが、まずSRA OSSが開発している pgpool-II というミドルウェアを利用して、 更新用のデータベースと参照用のデータベースを分離する構成にしました。 これにより、データベースの負荷を下げて検索性能を向上させることが可能です。 また将来さらにリクエスト数が増えた場合でも、参照用のデータベースを追加することで性能向上が可能となります。

pgpool-II導入による多重化

もう1つは、同じくpgpool-II のメモリキャッシュの活用です。pgpoo-II には、データベースへの検索結果を共有メモリなどにキャッシュしておき、他のユーザーから同じリクエストが来た場合にキャッシュから高速に応答する仕組みがあります。 今回はこれを最大限利用して検索性能を向上させました。

pgpool-IIメモリキャッシュ

基幹データベースへの PostgreSQL の採用に、「不安は無い」

Q:
御社にとっては基幹システムの更改だったわけですが、オープンソースに対する不安は無かったのでしょうか。
田辺:
私は以前から PostgreSQL を使っていました。 私の個人的な PostgreSQL の印象なのですが、とても扱いやすいデータベースだと感じています。 壊れにくいし、継続的にバージョンアップもされます。不具合の修正スピードもとても早いです。RDBMS としては私の中では一番の選択肢かな、と思っています。
村木:

オープンソースだから、という不安はありませんでした。周囲にもそのような声はなかったです。

判例文のデータというのは、結構複雑なのです。ひとつひとつの判例に付属情報がたくさんついているので、様々なテーブルが複雑に関係しています。 さらに、今後様々な情報を追加していく予定もあります。このような状況では、オープンソースというのはむしろ小回りが効いて扱いやすいと感じました。

システム運用担当者にとっての「安心感」

Q:
システムリリース後、安定して稼働していますか?
村木:
はい、システムが稼働して約1年たちますが、安定して動いています。性能面も問題ありません。
田辺:
実は1度だけ障害が発生したことがありました。原因は PostgreSQL ではなく、全く別のところだったのですが。 今回SRAの提案で、PostgreSQL のデータベースを pgpool-II を使って冗長化していました。PostgreSQL のサーバの内、1台にアクセスできなくなってしまったのですが、 その際にこの pgpool-II による冗長化の仕組によってデータベースが自動的にフェイルオーバーし、お客様へのサービスとしては停止することなく継続することができました。
村木:
他社の事例では、冗長化の仕組みがうまく働かずに障害になるケースが多いと聞きますが、 SRAが構築した PostgreSQL と pgpool-II によるの冗長化の仕組みには本当に助けられました。
田辺:
システムを運用する立場としては、なにか障害があったときでも自動的にフェイルオーバーして処理を継続してくれるというのは、 本当に安心感があります。また、検索性能についても、データ量が増えても性能が劣化しないというのは、とてもありがたいです。

「口コミ」で広がる、システムの利便性

Q:
利用者の評価はいかがですか?
村木:
大変評判がよいです。判例データの更新頻度があがったことで、今までは1か月、2か月前の情報しか検索できなかったのが、昨日の判例が検索できるようになっている。 また、当社にとっても例えば誤植があったときなど、これまでは1か月待たないと修正できなかったのが、すぐに修正できるようになりました。検索性能についても大変好評です。
内藤:
おかげさまで、利用者も増加しています。 嬉しいことに、お客様である弁護士や検事の方が新しいシステムを使ってみて、とても使いやすい、良くなった、ということを周囲に広めて頂いているようです。
Q:
御社の今後の展望について教えて下さい。
内藤:
当社は多くの書籍を販売していますが、まだまだオンライン化できていないものもあります。 今後、スマートデバイスの普及もあり、益々インターネットを利用したウェブサービスが情報提供の手段として重要になっていくと考えています。 今後も様々な情報をデータベース化して、お客様にご提供して行きたいと思います。

第一法規株式会社

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