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PostgreSQL Conference Europe 2012 参加レポート

高台から望むプラハの街並

SRA OSS, Inc. 日本支社は 2012 年 10 月 23~26 日に、チェコ共和国のプラハで開催された「PostgreSQL Conference Europe 2012」に参加してきました。

PostgreSQL Conference Europe は PostgreSQL Europe が主催するヨーロッパ最大の カンファレンスであり、ヨーロッパ内外から数多くの PostgreSQL 開発者およびユーザが参加し、発表や議論が行われる場です。

オープニングの様子。

毎年ヨーロッパの異なる国・都市で開催されており、今年はチェコ共和国の首都プラハが開催地でした。

プラハは紅葉が美しい季節でした。

石畳の旧市街の街並みも美しく、料理もビールも美味しい、とても素晴らしい街でした。

会場となったのはプラハ市街の南側に位置する Corinthia Hotel Prague の会議室です。

参加者はヨーロッパ内外の各国から 290 名以上が集まり、大規模なカンファレンスとなりました。

オープニングとクロージングはホテル最上階の広間で、発表セッションは 3つの部屋で 3 トラック並行して行われました。

オープニングのキーノートトークは『SQL パズル』などの著書で知られる Joe Celko 氏の講演でした。

パンチカード、磁気テープから磁気ディスク、そして SSD、クラウドへという物理デバイスの変化に伴い、アクセスメソッドも順アクセスからランダムアクセスへと変化してきたこと。

抽象的にデータを扱う SQL では、さらに頭の中にある「マインドセット」の変化が重要であることが語られました。

スライドを用いずにブラウザでウェブサイトを表示しながらの講演が印象的でした。

Joe Celko 氏の講演

発表セッションの内容はレプリケーション、クラスタリング、SQL の活用法介、マイグレーション、応用事例など様々な分野に渡っていました。

以下、筆者が聴講したものから一部紹介いたします。

レプリケーションに関しては、 Andres Freund, Simon Riggs 両氏による PostgreSQL のマルチマスタレプリケーションに向けた取り組みの発表がありました。

開発中の機能の一部は PostgreSQL 9.3 のリリースに 含まれる予定とのことでした。

また、Koichi Suzuki 氏による Postgres-XC の紹介も興味深いものでした。

Postgres-XC とは同期マルチマスタ型の PostgreSQL クラスタシステムで、読み書き双方の性能をスケールアウトさせることが可能です。

弊社、石井による pgpool-II新機能の紹介

Bruce Momjian 氏からは、SQL の標準表形式(WITH 句)の使い方に関する発表がありました。

再帰クエリや更新クエリとの組み合わせで SQL でも命令的な処理が実行できることが紹介されました。

Alexey Klyukin 氏による Oracle から PostgreSQL へのマイグレーションに関する発表では、主に SQL の書き変えとクエリ結果のテストの方法が説明されました。

また、PostgreSQL の応用の話題では、Michael Schneider, Renzo Kottmann 両氏からゲノム情報を効率的に圧縮して格納可能な PostBIS について、Sebastian Harl 氏からは時系列データを DB に格納するための拡張機能 PostRR についての発表がありました。

配布されたプログラム、参加証、Tシャツ、
そして象のペーパークラフト

なお、弊社からは支社長の石井達夫がpgpool-II 3.2 の新機能であるオンメモリクエリキャッシュと watchdog(高可用性機能)について紹介させていただきました。

筆者は今回初めて海外の PostgreSQL カンファレンスに参加しましたが、実に多くの人達が、様々な国から 様々な興味のもとに PostgreSQL のコミュニティーに参加し、それによって PostgreSQL の発展が支えられているということを実感しました。

今後 PostgreSQL の世界がどのように広がっていくのかが楽しみです。

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