本記事では、PostgreSQL 監査ロギングツール「pgAudit」のアドオンとして使用する「pgAudit Log to File」のインストール方法、監査ログ取得方法について紹介します。
PostgreSQL
増永教授のDB特論⑩「GEQO」
1. はじめに
リレーショナル DBMS において質問処理の最適化はリレーショナル DBMS の開発が始まって以来,設計者が最も腐心するところでした.その嚆矢は 1970 年代に IBM San Jose 研究所で開発された System R で提案・実装されたコストベース(cost based approach)の最適化手法です[1].System
R は PostgreSQL の前身である INGRES と共にリレーショナル DBMS のプロトタイプとして名高い
システムですが,そこで開発されたこの手法は現在もプロプライエタリや PostgreSQL を含む OSS
のリレーショナル DBMS の質問処理最適化技法の基本となっています.
増永教授のDB特論⑨「NULL」
1. はじめに
Null という語,データベースに携わっている人なら見たことないという人はいないと思いますが,なんと発音していますか?
「ヌル」って言うのだよ,と誰が教えたのでしょうか?結構,皆さん,ヌル,ヌル,って言っています.違うんですねー.「ナル」って発音するのです.英語の発音記号は nʌ’l です.英語の発音を日本語で書き表すのは難しいですが,決してヌルではありません.英語を母国語とする人にヌルと言ったら,多分首を傾げると思いますよ.ナルって言いましょう.
さて,ナル(null)は「値がない」(having no value)という意味ですね.これに異議ありという方は多分いないと思います.では,リレーショナルデータベースでナルはどのような時にどのように使われているのでしょうか?なんで今さらそんなことを聞いているの?といぶかしげな読者の顔が浮かびますが,ナルに関しては蘊蓄を傾ければきりがなく,理論面でも実践面でも不明確なところが多々あり,議論しだしたらきりがないのかなといった感じです.しばしナル談議に耽ってみたいと思います.
増永教授のDB特論⑧「MVCC」
1. はじめに
トランザクションの同時実行制御は障害時回復とならんでトランザクション管理には欠かせない機能であることは言うまでもないことです.そのために 2 相ロッキング(two phase locking, 2PL)プロトコルが考案され,伝統的に 2PL が多くのデータベース管理システム(DBMS)で実装されてきました.しかし,2PLでは同時実行されているトランザクションの直列化可能性を保証するために,トランザクションは読取りや更新の対象となるオブジェクトをロック(lock,施錠)することが必要で,それによる同時実行性(concurrency)の制約は古くから認識されるところでした.
多版同時実行制御(multiversion concurrency control, MVCC)は 2PL とは異なり,競合しているトランザクションの実行終了を待つのではなく,同じデータ項目の異なる版(version)を用意することによって,トランザクションの隔離性を向上させ,同時実行性を高めようとするアプローチです.データ項目の版という概念の導入は 1978 年に遡りますが[1],その考え方はデータベース分野に直ちに入り込み,1980 年代初頭には MVCC の理論の礎が築かれました[2].MVCC と一口に言ってもその実現法は MVTO(multiversion timestamp ordering),MV2PL,MVMM,MVOCC,SI(snapshot isolation,スナップショット隔離性),SSI(serializable snapshot isolation,直列化可能スナップショット隔離性)など多様です.現在 MVCC はこのようなさまざまな実現法を包括した用語として用いられると同時に,狭義には MVCC の原点である MVTO を指す言葉としても用いられます.現在,多くのプロプラィエタリ(proprietary)あるいは OSS のリレーショナル DBMS で MVCC が実装されています.
2PL と MVCC ではトランザクションの同時持実行制御の考え方が根本的に異なるので,2PL を念頭に制定された国際標準リレーショナルデータベース言語 SQL が定めた隔離性水準(isolation level)と MVCC の提供する隔離性水準との間には齟齬が出ます.現在 PostgreSQL や Oracle で実装されている SI は ANSI SQL の隔離性水準を論評する過程で考案され,1995 年に公表されました[5].
本稿では,MVTO と SI を中心において,MVCCと は何かを改めて議論しておきたいと考えます.
PostgreSQL 14.5 に関する技術情報
このリリースは 14.4 からの修正リリース(2022年8月11日リリース)です。
14.X からのアップデートではダンプ、リストアは不要です。
また、14.4 よりも前のバージョンからアップデートする場合には、14.4 のリリース情報も参照してください。
PostgreSQL 13.8 に関する技術情報
このリリースは 13.7 からの修正リリース(2022年8月11日リリース)です。
13.X からのアップデートではダンプ、リストアは不要です。
しかしながら、13.7 よりも前のバージョンからアップデートする場合には、13.7 のリリース情報も参照してください。
PostgreSQL 12.12 に関する技術情報
このリリースは 12.11 からの修正リリース(2022年8月11日リリース)です。
12.X からのアップデートではダンプ、リストアは不要です。
しかしながら、12.10 よりも前のバージョンからアップデートする場合には、12.10 のリリース情報も参照してください。
PostgreSQL 11.17 に関する技術情報
このリリースは 11.16 からの修正リリース(2022年8月11日リリース)です。
11.X からのアップデートではダンプ、リストアは不要です。
しかしながら、11.14 よりも前のバージョンからアップデートする場合には、11.14 のリリース情報も参照してください。
PostgreSQL 10.22 に関する技術情報
このリリースは 10.21 からの修正リリース(2022年8月11日リリース)です。
10.X からのアップデートではダンプ、リストアは不要です。
しかしながら、10.19 よりも前のバージョンからアップデートする場合には、10.19 のリリース情報も参照してください。
PostgreSQL 15検証報告
更新日: 2022年10月20日
2022年10月にリリースされたPostgreSQL 15の主要な新機能について動作検証を行った結果を報告します。
本検証レポートはコマンド実行手順も詳細に記載していますので、PostgreSQL 15 を使って実際に新機能を確認したい方のガイドブックとしても活用できます。