[Zabbix認定スペシャリストコース]トレーニング体験記

概要

今回、「Zabbix認定スペシャリストコース(4.0)」でトレーニングを受講しましたので、
その内容および経験についてお伝えしたいと思います。
(気になる試験概要についても記載しております。)

現在、受講を検討中であったり、本ブログを契機に興味を持った方への参考情報として、
少しでもお役に立てれば幸いです。

コース概要

今回受講した「Zabbix認定スペシャリスト」コースを一言で伝えるなら、
「動作の仕組みを理解した上で、Zabbix監視システムの構築および運用が考えられるようになる。」です。

Zabbix公式トレーニングプログラムは、大きく以下の4つに分かれています。
(他にも目的を絞ったいくつかのコースがあります)

コース名 レベル 受講日数 概要
Zabbix認定ユーザー Level 1 1日間 Zabbixのフロントエンドの使い方やZabbixの概要について習得
Zabbix認定スペシャリスト Level 2 3日間 Zabbixの主要機能、インストール設定運用まで習得
Zabbix認定プロフェッショナル Level 3 2日間 大規模環境のための機能や内部仕様など高度なZabbix技術の習得
認定エキスパートコース Level 4 3日間 API、HA/DR、DBパーティショニングなど高可用性を維持するための技術の習得

トレーニングコースの詳細は、こちらをご参照ください。

 

現在のZabbix公式トレーニングプログラム(4.0)には、過去のトレーニングコースにはなかった、
Level1とLevel4が追加されたとのことで、これまでの経験や目的に合わせて、
選択の幅があるのが特徴となっています。

 

今回受講した、「Zabbix認定スペシャリストコース」は、Level2となりますが、
260ページにおよぶテキストを3日間でこなしていく、かなりボリュームのある内容となっています。
小中規模環境における環境構築と監視運用ができる内容となっています。

 

Zabbix 2.4以降、Zabbix社は1年半ごとにLTS(長期サポート: Long Term Support)をリリースし、
ポイントリリースとして6ヶ月ごとに安定版をリリースしています。(リンク)

本ブログ執筆時点においては、Zabbix 5.0 LTSがリリース(2020/5/12リリース)されておりましたが、
講義の内容としてはZabbix 4.0 LTSをベースとしています。

一見、メジャーバージョンが異なるため、古い学習内容じゃないのかと思われるかもしれませんが、
実際はZabbixのバージョンが変わっても、ベースの挙動(考え方)は変わらないため、
ベースを理解した上で、他のバージョンとの比較や対応ができるようになると考えられます。

また、Zabbixの最新版での機能紹介やリリースノートについては、
我々が日本語化して随時本ブログにアップしておりますので、引き続きご参照いただければと思います。

 

「Zabbix認定スペシャリストコース」を修了すると、以下をもらうことができます。

  • コース修了証明書
    Zabbix認定スペシャリストコース修了証明書
    *全日程の講義へ参加が条件となります。
  • 認定書
    Zabbix認定スペシャリスト証明書 (Zabbix 4.0 Certified Specialist)
    *トレーニングコース最終日に試験を実施し合格点を満たすことが条件となります。

その他の特典として、「Zabbix認定スペシャリストポロシャツ」がもらえます。
ちゃんと、「Zabbix Certified Specialist」と刺繍してあります。( ̄▽ ̄)b

 

講義の雰囲気

まずは、会場についてですが、開催時期やコースなどその時点での諸条件によって
会場が変わりそうです。
今回は、Zabbix Japan LLC本社のある、Zabbix Japan セミナールーム(東新橋)での開催でした。

まだまだ落ち着かない世界情勢の中、様々な対策がされておりました。

  • アルコール消毒液、検温器の設置
  • マスク、フェイスシールドの会場での準備
  • ソーシャルディスタンスを意識した座席の配置
  • 窓を全開にして通気性を確保した状態でのエアコン

 

開放感と木のぬくもりのある落ち着いた部屋で講義を受けることができました。
ドリンクサービスやおやつも提供されており、リラックスできました。
(皆さんドリンク飲みすぎで、少々トイレが混んでいましたが。。。)
また、遠方参加者にはうれしいランチマップなども準備されておりました。

 

次に、講義の際の雰囲気をお伝えします。
COVID-19の影響により、人数は少なめで、マスクやフェイスシールド着用など、
少々普段とは異なる雰囲気となっていることを予めお伝えしておきます。

講師は、Zabbix Japan LLC代表の寺島広大さんでした。
寺島さんは、日本におけるZabbixの第一人者であり、今でこそ世界的に有名となったZabbixですが、
当時、ラトビア発の無名だった監視アプリケーションをここまで広めた、すごい方です。

 

以下のような講義スタイルで進められます。

  • 講師がプロジェクタに、プレゼン資料と実行画面(Zabbixの管理画面、コンソール)を切り替えながらの説明
  • 一人一台の作業環境が準備されており、講師の説明を聞きながら、演習も進める
  • 自分の環境を利用しての動作確認と、他のユーザとの相互監視も確認する
  • 随時講師の説明をテキストへメモ書き(筆記用具は各自準備した方が良い)
  • 講師の方もマスクをされており、窓も全開でしたが、大きく落ち着いた声で話されるので、
    特に聞き取りにくいということはありませんでした。

 

対面での講義と質疑応答のやり取りこそ、講義の真骨頂ではないでしょうか。

  • 気になったことを随時質問してOKな雰囲気づくりと、節目節目で必ず質問を募って、懇切丁寧に解説してくれます。
  • 少し前に質問があった個所に関連する事項が講義で出てくると、先ほどの質問回答に絡めた説明をしてくれるので、
    知識を関連付けて理解できるような講義だったなと感じました。
  • 他の人の質問-回答から、新たな質問がでて、みんなで成長できる空間でした。
  • DNSやOIDの名前解決あたりは、正常時は問題なく、異常時に比較的陥りやすい設定であったり、
    “(ダブルクォーテーション)が必要な考え方など、ここでの不具合はこれらのパターンが多いなど
    経験に基づく知見を多く学べました。
  • 質問回答で、DBの確認や、プロセス、コンフィグ設定、Web画面を見たりして、
    構成や中身を意識させるような説明がされていました。
  • テンプレートや各種グループ、タグなど、実際の環境での監視端末が激増することを想定した説明となっていました。
  • 本来、別のコースへ移動となった学習単元についても、懇切丁寧に説明いただきました。

休憩時間などに周りでは「これまで分からなかったところが分かるようになってきた」という声も
聞こえており、自分だけではなかったなという印象を受けました。

 

試験の概要

試験概要と出題概要については、あまり詳しくは書けませんが、
以下を意識して講義を受けることで、得点に繋がるかもしれません。

試験概要

  • 実施形式:CBT(Computer Based Testing)試験
  • 試験時間:1時間 (講義の最終日)
  • 問題数 :50問
  • 問題形式:選択式(1つ、または、複数選択式)
  • 合格得点:80% (問題数が50問なので、40問正解する必要がある)

出題概要

  • その機能が、Zabbixで実現できるか
  • この機能はどのような機能か
  • 設定項目などの選択など
  • Zabbixは設定項目が多いが、暗記問題は無し
  • 重箱の隅をつつくような問題は無し

 

試験は難しい問題もありますし、ひっかけ問題もあります。
少しでも迷ったら印をつけて、まずはすべての問題を解くことを優先してみてください。
後からその問題を考え直す時に、残りの問題数が少ないことで落ち着いたり、
他の問題や回答によって頭の中が整理されるかもしれません。

 

まとめ

講義の雰囲気や、試験の雰囲気などを感じていただけましたでしょうか?

私自身、この講義を受けるまでは、Zabbixのリファレンス的なマニュアルはあるが、
体系的な学習ができていなかったために、有用な活用ができていなかったと感じています。
また、設定内容も比較的自由度が高いため、特に初学者にとっては、
講義中の「普通は・通常は」という説明はベースを固めるうえでは非常に参考となりました。

これから講義を受けられる方は、日頃の疑問や、改善したいことなどをメモして講義を受けることで、
学習の定着にもつながりますし、Zabbixのプロにご質問いただける良い機会となると思います。