PostgreSQL 8.2.9 に関する技術情報

このリリースは 8.2.7 からの修正リリース(2008/06/12リリース)です。
本ドキュメントは PostgreSQL のリリースノートを基に作成しています。
8.2.x からのアップデートではダンプ、リストアは不要です。

しかし、8.2.7 より前のバージョンからアップグレードする場合は、8.2.7 に関する技術情報を参照してください。

PostgreSQL 8.2.7 から 8.2.9 への変更点


  1. WindowsでデータベースエンコーディングにUTF-8を使用し、かつ、それと異なるクライアントエンコーディングを使用しているときに生じる、ERRORDATA_STACK_SIZE exceededクラッシュを修正しました (Tom)
  2. 新しい列が非NULLで初期化されているかどうか正しく検査されるようにALTER TABLE ADD COLUMN … PRIMARY KEYを修正しました (Brendan Jurd)以前のバージョンでは、まったくこの必要条件を検査していませんでした。
  3. 共通の先祖から制約を継承した親リレーションから、”同じ”制約を継承しているときにCREATE TABLEが失敗する可能性を修正しました (Tom)
  4. UPDATEやDELETEの対象テーブルに別名が付いている場合、それを表示するようにpg_get_ruledef()を修正しました (Tom)
  5. too many LWLocks taken failureという結果になるGINのバグを修正しました (Teodor)
  6. 不正なデータを伸長する時にクラッシュする可能性を回避しました (Zdenek Kotala)
  7. SIGTERM によるバックエンドの終了が共有メモリの一部を破壊していた 2 箇所を修正しました (Tom)SIGTERMがデータベースクラスタ全体を同時に終了させるために使用される場合、どちらも特に重要ではありません。しかし、個々のバックエンドに対してSIGTERMを試みる場合には問題があります。
  8. キリル語の”Yo”文字(2つの点を持つeとE)を扱うISO-8859-5とその他のエンコーディング間の変換を修正しました (Sergey Burladyan)
  9. いくつかのデータ型入力関数、特に結果として未初期化、予期できない値を含むを未使用のバイトを許すarray_in()を修正しました (Tom)これは、2つの外見上まったく同じ値が等しく認知されず、一致しなかったORDER BYとDISTINCT式についてパーサエラーとなる可能性がありました。
  10. 正規表現の部分文字列一致での境界問題を修正しました (Tom)この問題は、パターン全体は一致するが、ユーザがカッコに入れた副式を指定し、その副式が一致するときに問題が起きます。たとえば、substring(‘foo’ from ‘foo(bar)?’)です。これは、(bar)が一致しないのでNULLを返すべきですが、誤ってパターン全体が一致(つまりfoo)と返していました。

    タイムゾーンデータファイルをtzdataリリース2008c(モナコ、イラク、チョイバルサン、パキスタン、シリア、キューバ、アルゼンチン/サンルイスにおける昼時間規則の変更)に更新しました。

  11. ecpgのPGTYPEStimestamp_sub()関数からの不正な結果を修正しました (Michael)
  12. contrib/tsearch2のtsquery型のための壊れたGiST比較関数を修正しました (Teodor)
  13. contrib/cube関数でクラッシュする可能性を修正しました (Tom)
  14. 入力問い合わせがNULL値を返すときのcontrib/xml2’s xpath_table()関数のコアダンプを修正しました (Tom)
  15. contrib/xml2のmakefileがCFLAGSを上書きしないように修正 (Tom)
  16. gcc 4.3でDatumGetBoolマクロが失敗しないように修正しました (Tom)この問題は、booleanを返す”古い形式”のC関数に影響します。8.3ではすでに修正されていますが、当時気付いていなかったバックパッチが必要となりました。
  17. pg_get_ruledef()において、負の定数を括弧でくくるようにしました (Tom)この修正の前は、ビューまたはルールにおいて-42::integerのような微妙に正しくない負の定数がダンプされる可能性がありました。これは、演算子優先規則により(-42)::integerとするべきです。通常、これは大差ありませんが、他の最近のパッチと相互作用して、PostgreSQLが正しいSELECT DISTINCTビューの問い合わせを拒絶する可能性がありました。これは、pg_dumpの出力がリロードに失敗するという結果になる可能性があるため、高い優先度の修正として扱われました。実際にダンプ出力が不正になるリリースバージョンは8.3.1と8.2.7のみです。
  18. ALTER AGGREGATE … OWNER TOがpg_shdependを更新するようにしました (Tom)この不注意な誤りは、集約がのちにDROP OWNEDまたはREASSIGN OWNED操作に関わる場合、問題となる可能性があります。