PostgreSQL 8.1.14 に関する技術情報

このリリースは 8.1.13 からの修正リリース(2008/09/22リリース)です。
本ドキュメントは PostgreSQL のリリースノートを基に作成しています。
8.1.x からのアップデートではダンプ、リストアは不要です。

しかし、8.1.2 より前のバージョンからアップグレードする場合は、8.1.2 に関する技術情報を参照してください。

PostgreSQL 8.1.13 から 8.1.14 への変更点


  1. ローカルロックカウンタが 64bit に拡張されました (Tom)この修正は、十分に長いトランザクションにおいて、カウンタがオーバーフローし、予想外の「ロックは取得済み」というエラーを導くという報告に応えるものです。
  2. GiST インデックススキャンで行が重複出力されてしまう問題が修正されました (Teodor)
  3. INSERT または UPDATE で生成される行が処理対象のテーブルの行タイプと一致するようにエグゼキュータ開始時にチェックするようになりました (Tom)このチェックにより、キャッシュされた実行計画を再利用する際に ALTER COLUMN TYPE が実行された場合にデータの破損やクラッシュが起きることを防ぎます。
  4. AT TIME ZONE 構文が、先ずタイムゾーン略称として解釈を試み、それが失敗したときに完全なタイムゾーン名として解釈するように、修正されました (Tom)タイムゾーン表現が曖昧な場合に一貫性に欠ける動作をする障害は 8.1 で取り込まれたもので、本修正によって 8.0 と同じ動作をするようになります。
    なお、それより古いバージョンは略称のみを解釈するため該当しません。
  5. 64bit プラットフォームにおける日付時刻の入力関数で、整数オーバーフローを適切に検知できるように修正されました (Tom)
  6. syslog にとても長いメッセージを書き込む際の性能が改善されました (Tom)
  7. SELECT DISTINCT ON 問い合わせに対するカーソルの後ろ向き走査での障害が修正されました。(Tom)
  8. 入れ子になったサブクエリ式に関するプランナの誤りが修正されました (Tom)外側サブクエリは親クエリに依存していないが、内側サブクエリが親クエリに依存している場合、外側サブクエリの値は新しい親クエリの行むけに再計算されない可能性がありました。
  9. プランナが GROUP BY で boolean を返す式なら値を確認せずとも必ず2グループになると推定するように修正されました (Tom)「GROUP BY col IS NULL」のような場合には通常の見積りよりも正確になります。
  10. PL/pgSQL で FOR ループの変数がコンポジットタイプを含むレコードだった場合でも失敗しないように修正されました (Tom)
  11. pg_dump、pg_restore コマンドの SQL を送出して失敗した後のエラー出力が改善されました(Tom)
  12. pg_ctl が restart の際に、適切に postmaster のコマンドライン引数を保存するように修正されました (Bruce)
  13. タイムゾーンデータ(tzdata)がリリース 2008f に 更新されましたアルゼンチン、バハマ、ブラジル、モーリシャス、モロッコ、パキスタン、パレスチナ、パラグアイで、夏時間法が変更されたことに対応しています。
  14. PL/Python が Python 2.5 に対応しました