このリリースは PostgreSQL 7.3.2 (2003/02/04リリース)に関する技術情報をお届けします。本ドキュメントは PostgreSQL のリリースノートを元に弊社で解説を加えたものです。
PostgreSQL 7.3.1 から 7.3.2 への変更点
注意: ここにあげた変更点は、すべてを網羅していない可能性があります。詳しくはソースに付属の HISTORY というファイルを見てください。
変更点
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- VOLATILE な関数がキャスト関数に使用できない制限が外されました。
- 互換性のために CREATE TABLE AS と SELECT INTO で作成されるテーブルの行に OID が付くように修正されました。
- SLL での不正なパーミッション時のエラーメッセージが修正されました。
- GUC パラメータの追加/変更/削除
- max_fsm_relations のデフォルト値が 100 から 1000 に変更されました。
- log_min_error_statement のデフォルト値が ERROR から PANIC に変更されました。
- bison バージョン 1.875 が使用できるように修正されました。
- contrib
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- oracle
PostgreSQL 7.3 のスキーマのエキスポートなどができるようになりました。詳しくは、 contrib/oracle/README を参照してください。
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- メッセージ翻訳がアップデートされました。
バグ修正
- SSLv2 は、サーバでの後方互換性となるように修正され、クライアントがコアダンプするバグも修正されました。
- pg_dump で、必要なメモリ領域を開放していたため、コメント付のビューをダンプすると pg_dump がコアダンプするバグが修正されました。
- pg_restore で、tar フォーマットが認識されないバグが修正されました。
- 継承した子テーブルのカラム順が親テーブルと異なる場合に、UPDATE でエラーとなるバグが修正されました。
- DEFERRABLE/INITIALLY DEFERRED が指定された制約が正しくダンプされるように修正されました。
- ユーザ名がすべて数字のユーザを作成し、データベースの作成などをするとバックエンドがコアダンプするバグが修正されました。
- PQconnectDB() による接続時に ~/.pgpass による認証が機能するように修正されました。
- HP-UX での、libpq の共有ライブラリのシンボリックリンク方法が間違っていたバグが修正されました。
- BSD/OS のスレッド対応 fseeko() のファイルロックのバグが修正されました。
- BIG5 と Mule 内部コード間の変換で、配列境界を越えたアクセスをするバグが修正されました。
- SELECT DISTINCT に対するクエリーへのカーソルで、逆方向の FETCH が正しくないバグが修正されました。
- データ型、関数、演算子
- 内部表現に浮動少数点数を用いた場合に、timestamp、time、interval でのまるめ方が不統一であったバグが修正されました。
- 時刻のスケールテーブルのアクセスで、配列境界を越えたアクセスをするバグが修正されました。また、内部表現が浮動少数点数の場合の時間精度が 13 から 10 に変更されました。
- lseg_center() が線分の中心を返さないバグが修正されました。
- PL/pgSQL
- レコードを用いた SELECT INTO で、行数が 0 の場合に、RETURN NEXT でコアダンプするバグが修正されました。
- Tcl
- ルールで書き換えられたクエリーの実行で pltcl がコアダンプするバグが修正されました。
- libpgtcl で、切断時にメモリリークとコアダンプするバグが修正されました。
- contrib/lo
- lo 型と oid 型とのキャストが追加されました。
- lo 型を使用したデータベースを pg_dump でダンプすると、リストアできないバグが修正されました。