Tomcat 9.0.110 のリリースノート

このドキュメントは 2025 年 10 月 6 日にリリースされた Tomcat 9.0.110 のリリースノートの日本語訳です。
ダウンロードは Tomcat ダウンロードより行えます。
以下はリリースの詳細と、最新情報およびドキュメントを補足するその他情報について記載しています。


不具合修正(Catalina)

* 69781 の修正によって発生した FileStore の不具合が修正されました。

* HTTP メソッドは大文字小文字を区別する仕様であるため、メソッド比較時に常に大文字小文字を区別して比較するようになりました。

* クライアントがセッションに参加した後、HttpSession.isNew() が false を返すようになりました。(69814)

* ParameterMap のパフォーマンスがさらに改善されました。

* トレーラーヘッダーの許可リストにおける大文字小文字の区別に関する問題が修正されました。

* マルチパートアップロードの失敗時に、一時ファイルをガベージコレクション任せにせず、積極的にクリーンアップするようになりました。

不具合修正(Coyote)

* HTTP リクエストヘッダー名の大文字小文字を強制的に小文字化せず、元の表記を保持して格納するようになりました。

不具合修正(Cluster)

* チャネル設定 (送信者、受信者、メンバーシップ サービス) が、チャネルが完全に停止していない状態では変更できないようになりました。

不具合修正(Web applications)

* ドキュメントが更新され、Connector 要素の maxPostSize 属性の目的が明確になりました。

* Manager Web アプリで証明書情報を表示する際に発生していた NullPointerException を回避するように修正されました。

機能追加・改良(Catalina)

* 強いETag (有効な場合) の計算に使用するハッシュ関数が、SHA-1 から SHA-256 に変更されました。これは、RFC 9110 で推奨されている「強い ETag の生成には衝突耐性のあるハッシュ関数を使用すべき」という指針に沿った対応です。

機能追加・改良(Coyote)

* TLS 1.3 においてポスト量子暗号に対応する証明書選択ロジックが追加されました。MLDSA タイプで定義された証明書は、TLS クライアントの Hello メッセージに応じて選択されるようになりました。

* SSLHostConfig に groups 属性が追加され、SSL エンジンで有効化できるグループを制限できるようになりました。

* HTTP メソッドをバイト形式から文字列形式に変換する処理が最適化されました。

機能追加・改良(Other)

* Byte Buddy が 1.17.7 に更新されました。

* Checkstyle が 11.1.0 に更新されました。

* SpotBugs が 4.9.6 に更新されました。

* Jsign が 7.2 に更新されました。

* ロシア語翻訳が改善されました。

* フランス語翻訳が改善されました。

* 日本語翻訳が改善されました。

* JULI ロガーにおける軽微なリファクタリングが行われました。

詳細は以下をご覧ください。

https://tomcat.apache.org/tomcat-9.0-doc/changelog.html#Tomcat_9.0.110_(remm)