
このリリースは PostgreSQL 7.4.1 (2003/12/22リリース)に関する技術情報をお届けします。本ドキュメントは PostgreSQL のリリースノートを元に弊社で解説を加えたものです。
PostgreSQL 7.4 から 7.4.1 への変更点
7.4にあった、クラッシュを伴うような致命的なものを筆頭に様々な問題が修正されています。いくつかの修正を有効にするためにアップグレード用のSQLを起動しなければならない事に注意してください。
7.4との互換性に関する問題点
- informational schemaに関するいくつかの問題が修正されました。
- bit型の取り扱いに関する問題が修正されました。
- constraint_column_usageの抽出条件が一部削除されました
注:この修正を有効にするためには、initdbが必要です。ただし、その代わりとして、あらゆるデータベースに対してスーパーユーザーから以下のpsqlコマンドを実行する事で代用する事が可能です。
DROP SCHEMA information_schema CASCADE; i (PostgreSQLのインストールパス)/share/information_schema.sql
- 上記の問題を除いて、7.4からのアップデートにはdump/restoreの必要は基本的にありません。
重要な修正
- hash joinを使う副問い合わせを含む一部のSQLで、バックエンドがクラッシュする問題が修正されました。
- Solarisでパスワードを使っていて、しかしパスワードが定義されていない場合にクラッシュする問題が修正されました。
その他の修正
- Configure時に”–enable-thread-safety”と”–with-perl”を組み合わせるとmakeできない問題が修正されました。
- シャットダウン時に行うFSMの圧縮に関する問題を修正しました。
- netmask() と hostmask() 関数の返値が、以前のリリースと互換性がない問題が修正されました。
- IN副問い合わせやJOINが階層になっているケースで、問い合わせ時に継承関係が利用されない問題が修正されました。
- count(‘x’)のような記法がエラーになっていた問題が修正されました。
- SSL接続時のメモリリークが修正されました。
- ECPG
- “CREATE SCHEMA”文が使えない問題が修正されました。
- 配列/vectorの取り扱いに関する問題が修正されました。
- Informix互換モードでインストールする、一部プラットフォームでインクルードファイル名の衝突が発生するため、別ディレクトリに移動されました。
- contrib
- pg_autovacuum
- 変数初期化が不適切だった問題が修正されました。
- TRUNCATE後にVACUUMしたときの問題が修正されました。
- 長時間実行時に内部的に数値がオーバーフローする問題が修正されました。
- cube
- cygwinでコンパイルできない問題が修正されました。
- dblink
- get_tuple_of_interrest()関数の内部でSPI_Finish()が呼ばれていない問題が修正されました。
- pg_autovacuum
- JDBC
- マルチスレッドに関する問題が修正されました。
- bytea型にindexがうまく適用できない問題が修正されました。
- WALからのリカバリ中には、常にzero_damaged_pagesが設定されるようになりました
- 複数の別々の副問い合わせ中に、同一名称で参照される、精度が異なる型(VARCHAR(10)とVARCHAR(20)など)が、”variable not in subplan target lists”エラーを引き起こす問題が修正されました。
- PQescapeBytea()とbyteaout()がお互いに一貫した出力を行うようになりました。
- byteaの出力で、0x7eより大きなものはすべてエスケープされるようになりました。
- チェコ語のFAQが追加されました。
- “pg_service.conf”ファイルの取り扱いで、サービス名=db名とする挙動が廃止されました。
- Borland C++ Compilerでlibpqをビルドするときに発生する問題が修正されました。
- ident認証がFreeBSDで動かない問題が修正されました。
- interval 型で’-0.1’のような数字を正しくハンドリング出来ない問題が修正されました。(2004/10/13追加)